はじめに
近年、情報の増加と複雑化により、私たちの社会や生活はますますネットワーク化されています。このようなネットワーク構造の中で、人々や物事の関係性を理解し、分析することは重要です。そこで、登場するのが「ネットワーク分析」です。本記事では、この手法の概要と応用例について解説します。
ネットワーク分析は、様々なデータの関係性を分析したい際には非常に有効な手法となります。しかし、見た目ではわかりやすい反面、理論的に勉強していくと難しい面も多いです。これらについて理解が難しい場合は、経験豊富な方とマンツーマンで学習していくのもオススメです。
ネットワーク分析とは
ネットワーク分析は、グラフ理論の原理に基づいて、複雑なシステムや関係性を可視化し、理解するための手法です。ネットワーク分析は、様々な分野で利用されており、社会ネットワーク、物流ネットワーク、生物学的ネットワークなど、さまざまな分野で有用性が認められています。
ネットワーク分析は、グラフ理論に基づいて、複雑なシステムや関係性を可視化し、理解するための手法です。ネットワーク分析では、「ノード(点)」と「エッジ(線)」を使って、関係性を表現します。
たとえば、学術論文の共著関係を分析するネットワークを考えてみましょう。
ノードとは
ノードはネットワーク内の個々の要素を表します。
今回の例では、ノードはそれぞれの「著者」を意味します。たとえば、Alice、Bob、Cathyといった研究者一人ひとりがノードとなります。
エッジとは
エッジはノード同士の関係を示します。
今回の例では、エッジは「共著関係」を意味します。たとえば、AliceとBobが共同で論文を書いた場合、AliceとBobの間にエッジが引かれます。
下記画像は後で出てくる結果の一つですが、「Bob」「Alice」「Cathy」がノード(点)で、それをつないでいる線がエッジ(線)となります。

ネットワークの解析事例
ネットワークを可視化した後は、その構造や特性を解析します。ネットワーク内での要素の位置やつながり、中心性、クラスター構造など、さまざまな指標を用いて分析を行います。これにより、重要な要素やパターンを発見し、ネットワーク全体の機能や特性を理解することが可能です。
具体的には、ネットワーク分析により、以下のようなことができます。
- ネットワーク全体の形態的特徴を解析することで、その性質を把握する。
- ノードの中心性を測定することで、ネットワーク内での影響力を測る。
- ノードの階層的な分類を行い、ネットワークの複雑性を理解する。
- 情報の伝播や拡散の予測を行うことで、市場や社会現象を予測する。
ネットワーク分析の優れた点
ネットワーク分析は、他の分析手法と比べていくつかの優れた点があります。まず、ネットワーク分析は複雑な関係性を直感的に可視化できるため、視覚的な理解が容易です。また、ネットワーク分析はシステム全体の構造や特性を包括的に把握できるため、システム全体の理解が深まります。さらに、ネットワーク分析は複数の要素間の相互作用を考慮するため、よりリアルなシステムのモデル化が可能です。
ネットワーク分析の事例をpythonで紹介
以下に、Pythonを使った簡単なネットワーク分析のコード例を示します。この例では、データが著者同士が共同で論文を執筆した関係を示すもので、NetworkXというライブラリを用いてネットワークを分析します。
import networkx as nx
import matplotlib.pyplot as plt
import japanize_matplotlib
# コラボレーションネットワークのサンプルデータ
# (学術論文の共著関係を表すエッジリスト)
edges = [
("Alice", "Bob"),
("Alice", "Cathy"),
("Bob", "Cathy"),
("Cathy", "David"),
("David", "Eve"),
("Eve", "Frank"),
("Frank", "Grace"),
("Grace", "Alice")
]
# グラフを作成
G = nx.Graph()
G.add_edges_from(edges)
# ノードの中心性を計算 (ここでは「次数中心性」を使用)
degree_centrality = nx.degree_centrality(G)
# 中心性が高い順にノードを表示
sorted_nodes = sorted(degree_centrality.items(), key=lambda x: x[1], reverse=True)
print("中心性が高いノード(影響力の高い著者):")
for node, centrality in sorted_nodes:
print(f"{node}: {centrality:.2f}")
# ネットワークの可視化
plt.figure(figsize=(8, 6))
pos = nx.spring_layout(G) # レイアウトの設定
nx.draw(G, pos, with_labels=True, node_size=2000, node_color="skyblue", font_size=15, font_weight="bold", edge_color="gray")
plt.title("コラボレーションネットワーク")
plt.show()

上記のように共著となっているデータはデータ上でもつながることが視覚的に確認されます。また、次数中心性というものも計算され、下記のように表示されました。
- Alice:0.50
- Cathy:0.50
- Bob:0.33
- David:0.33
- Eve:0.33
- Frank:0.33
- Grace:0.33
この数値は下記のように算出されます。
ここで、\( node \, degree \)とは、他のノードとつながっている数を表します。Aliceだったら3個のノードとつながっているので、この値は3になります。このようにネットワーク分析を用いることで、他に影響を及ぼしているデータが何かも数値的に理解することができます。
データを作る際にはジャッカード係数やダイス係数も合わせて使うことがありますが、具体的なやり方については下記書籍を学習していただければと思います。
まとめ
ネットワーク分析は、関係性やパターンを理解し、システム全体の構造や特性を把握するための有力な手法です。様々な分野で応用され、社会や科学のさまざまな問題に対する洞察や解決策を提供します。ネットワーク分析の進歩は、私たちの理解力を深め、新たな知識や洞察をもたらすことができます。
ネットワーク分析を学ぶのにおススメの方法
書籍:Pythonで学ぶネットワーク分析
こちらの書籍はネットワーク分析をPythonのコード付きで学ぶことができます。初心者にも分かりやすいように様々な事例付きで書かれているので、Pythonで初めてネットワーク分析を学ぶ方におススメです。
スクール:現役データサイエンティストに教えてもらう
ネットワーク分析は様々なデータの関連性を確認する際には非常に有用な手法です。ただ、若干理解しづらい部分もあるので、適切なメンターに相談しながら進めるのもオススメです。スクールなどに入り、アドバイスしてもらいながら進めるのも良いでしょう。




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